なわとびコラム

学校では縄跳びを教えてもらえない?先生でも縄跳びを教えるのが難しい理由

全国の小学校では体育で縄跳びをしますよね。あなたも学校体育で二重跳びをやった記憶があるはず。

でも縄跳びを教えてもらった記憶はありますか?

もしあなたが教えてもらった経験があるなら、かなりのラッキーです。なぜなら、これだけ全国で縄跳びをしているにも関わらず、縄跳びを教えられる先生ってホンの一握りなんですよ。

ではなぜ、学校の先生は縄跳びを教えることができないのでしょうか?

なぜ学校で縄跳びをするの?

そもそもなぜ小学校で縄跳びをするのでしょうか?しかも寒い冬の時期に限ってやりますよね。

これは小学校学習指導要領という文部科学省が発行する文書に記載されているからです。体育に限らず、この文書に書いある内容に沿って全国の学校では学習指導が行われています。

現行学習指導要領(本文、解説、資料等):文部科学省

この学習指導要領のおかげで、日本全国の学校で同じ内容を一斉に教えることができます。

なので学校の先生の一存で指導内容を飛ばしたり追加したりしてはいけないのです。

学習指導要領には何が書いてあるの?

学習指導要領に書いてあるのは「◯◯の内容を教えなさい」というザックリした文面です。よって具体的にどうやって教えるか?は各教員に任されています。

でもザックリした方針を渡されただけで授業をするのは難しいですよね。そこでもう一つ公式に発行されているのが「学習指導要領解説」です。

小学校学習指導要領解説:文部科学省

解説では学習指導要領を踏まえ、学習する具体的な例示をしています。

 (ウ) 用具を操作する運動遊び
用具をつかむ,持つ,降ろす,回す,転がす,くぐる,運ぶ,投げる,捕る,跳ぶ,用具に乗るなどの動きで構成される運動遊びを通して,用具を操作する動きを身に付けることができるようにする。
[例示]
○ 用具をくぐるなどの動きで構成される運動遊び
・ 長なわでの大波・小波をしたり,回っているなわをくぐり抜けたりすること。
○ 用具を跳ぶなどの動きで構成される運動遊び
・ 短なわを揺らしたり,回旋したりしながら前や後ろの連続両足跳びをすること。・ なわを跳んだり,くぐったりすることが苦手な児童には,跳び越す位置や動き方を示したり,かけ声によってタイミングを合わせることができるようにしたりするなどの配慮をする。引用:学習指導要領解説:小学校学習指導要領解説 体育

こうした解説を参考にして先生方は授業を作り上げていくことになります。

どうですか?

あなたはこの解説を読んで実際の授業を組み立てられそうですか?

学習指導要領  : ザックリした方針
学習指導要領解説: 例を示してポイントを解説
実際の授業内容 : 各教員に任されている

解説を読んでも「どうやって?」が書いてない

学習指導要領解説には具体的な例は挙げられていますが、どうやって教えるのか?の部分はありません。「Why」「What」まではあるけど、「How」が無いんです。

学習指導要領  : ザックリした方針(Why)
学習指導要領解説: 例を示してポイントを解説(What)
実際の授業内容 : 各教員に任されている(How)

子どもの達に義務教育として学習させる理由や、具体的に何を教えるかまでは文部科学省が公表します。でもいざ現場の授業でどうやって教えるかは教員に任せられています。

文部科学省の発行する文書には縄跳びの教え方はどこにも載っていません。先生が自力で探そうにも、指導法はあまり出回っていません。

じゃ、どうするか?課題の設定だけをしてあとは応援するしかないんです。

これがほとんどの学校の先生が縄跳びを教えられない理由です。

もう一つの理由は思い込み

学習指導要領と解説の事情から、学校の先生が自力で縄跳びを教えるのが難しい理由を見てきました。

でももう一つ大きな理由があります。それは縄跳びぐらい簡単にできるでしょ?という世間の思い込みです。

あなたもロープを回して跳ぶだけなんだから、別に教えなくてもできるようになるよ!と思っていませんか?その先入観が先生方が教えられないもう一つの大きな理由です。

あらためて、縄跳びは教えるのが難しい!という認識を広める必要があるのです。

学習指導要領には「Why」が書かれている
学習指導要領解説には「What」が書かれているでも「How」が学校の先生に任されている
⇒ なわとびは教えずにできる!という先入観縄跳びが教えられない学校の先生が増えてしまう

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